また恋をした、その時に。
1、【心美】 …揺れる気持ち
球技大会3日前。
1日の授業が終わり
面倒な掃除も済ませた後、
私は急いで廊下に出て窓を全開にさせた。
これが日課になりつつある。
「あ。いるね〜」
隣から聞こえてきたヒカリの声に小さく頷き
少し身を乗り出して外の様子を窺うと、
リクと小日向が渡り廊下を
並んで歩く姿が見えた。
“今日も体育館かな……”
そう確認すると、私は開けた窓を
閉めて
「心美、今日も行くの?」
「うん、少し覗くだけ…」
ヒカリと一緒に
階段に向かって歩き出す。