また恋をした、その時に。
体育館に近づくにつれ、
心拍数が速くなっていく。
保健室で少しだけ素直になれた
あの日から…
私とリクの関係は
特に変化がないまま
時が過ぎていったのだけど、
私の気持ちは
まだもやもやしたままで。
どうしてだろう。
深呼吸してから
そっと体育館の入り口に足を進め
開きっぱなしになっている扉に
体を隠して顔だけを覗かせた。
ヒカリも私の真後ろで
中の様子を見ている。
体育館の中では、
リクと小日向がいつも通りにパス練習をしていて。
前は右、左あちらこちらに
ボールが飛んでいって不安定だったけれど
3週間経った今では、
真っ直ぐにボールが小日向へと向かっている。
2人の練習を毎回見てきた私にとって
とても嬉しい事で。
思わず、顔が緩んでしまう。