また恋をした、その時に。
細めた目をゆっくり開けた。
「…………あ。」
体育館の中央にいるリクと視線が重なりあう。
次の瞬間
ボールが床に落ち、何回か弾む音して
「心美ちゃん…!」
リクが小走りで
私の方に向かってきて。
「リク…………」
「どう…したの?」
と、首を傾げる彼。
浮き上がった前髪から見えた額には汗が滲んでいた。
「リクが頑張ってるかな…って思って…」
陰で見ていた事がバレたのと
目の前にいる彼に
恥ずかしくて、顔が熱くなる。
「そうそう、心美は君の事が気になってしょうがないんだよ」
私の後ろにいるヒカリが
とんでもない事を言い出して…
心臓がドキリとした。
「……っちょっと………!ヒカリ…」
振り返ると、彼女は満面の笑み。
しまいには
「じゃあね。」とご機嫌に
スタスタと歩いていってしまう…
心の中でため息をついてから、
振り返った体を体育館に戻すと
キョトンとした表情のリクと視線が重なり
私は咄嗟に俯いた。
すると、目に映ったのはリクの腕。