また恋をした、その時に。
急いで左手側にある水道までいき
勢いよく蛇口を捻る。
鞄から予備のタオルハンカチを出して、
それを水に濡らした。
ぎゅっと水を絞り出す。
「何してるの?」
私の後をついてきたリクは、
隣に来て、濡らされているハンカチを見つめながら言った。
リクの両手は
水道の流しに手をついていて。
隣にあるる腕を掴むと
熱を持っていて熱かった。
触れるだけで高鳴る鼓動を隠しながら、
濡らしたタオルでリクの腕を冷やす。
「痛い…でしょ?冷たいかわからないけど…」
「ありがとう、ちょっとひんやりするよ。」
その時だった。
「どうした?」
体育館の入口に低い声が響いたのは。