また恋をした、その時に。


いつの間にか小日向は私達の背後にいて。



  「小日向…………」

咄嗟にハンカチを隠してしまう。

彼は視線が私の手の動きを追い、
それからゆっくりと口を開く。


「…あ〜もう、何なんだよ……」

右手で前髪を後ろに掻き上げながら

絞り出すような声。



リクは目を丸くして驚いたまま
固まった。


「オマエと遠藤さん見てるの…

もう限界かも。

もう、練習はいいだろ…

今さらだけど、違うチームなんだから
一緒に練習する意味もない…

じゃあな………」


顔を歪ませた後、

どんどん離れていく後ろ姿。


「待って…………!」

私は小日向の後を追いかけた。

何故か
追いかけられずにはいられなかったんだ…



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