また恋をした、その時に。



僕たちは勝ったんだ・・・

勝負が決まったその瞬間。

心美ちゃんは僕の名前を呼びながら走ってくると。

涙声でこういってくれたんだ。

「ありがとう、リク………カッコ良かったよ。」


僕は胸がいっぱいになって

涙を堪えられずには
いられなかった。


今までこんな事なかったから。

運動が苦手で弱虫な僕には

『ありがとう』、とか


『カッコいい』だなんて。

言われる事なんてなかった。

自分が
こんなに頑張れた事もなかった。




今までの自分の未熟さを思い知ったけど

この世界に来て、
成長していると実感した。

大嫌いだった自分を
ほんの少し好きになれた。

「ありがとう…心美ちゃん。」


それから
チーム全員で輪になって
嬉し泣きをしたんだ───…

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