また恋をした、その時に。
連れてこられたのは誰もいない渡り廊下だった───…
じめっとした風が
僕と心美ちゃんの髪を揺らす。
「信じられないよ…人がいる前で…」
俯きながら彼女はそう言った。
「……ごめん、どうしても伝えたかったんだ。
心美ちゃんの事が大好きだって」
俯いていた彼女がゆっくりと顔を上げる。
後ろで1つに結ってある髪形だったから
耳も顔も紅く染まっているのが
分かった───…
「僕、もっと強くなるから
もっと頑張るから
小日向君の所に行かないで?
お願い…………
心美ちゃんが隣にいてくれないと、僕───…」