また恋をした、その時に。
3、【リク】 影を持った彼女
ねぇ、
どうしてそんなに怒っているの?
君の涙をふいた、それだけなのに
何か
間違った事しちゃった?
乱暴に僕の袖を掴み、
ズンズンと前に進んでいく彼女。
「早く………」
彼女に急かされ、
足が縺れながらも
ようやく靴を脱ぐ事が出来………
部屋に入る。
6畳ほどの部屋。
勉強机には分厚い参考書が
広げてあり、伏せて置いてある。
白いベッドの枕元には沢山の
可愛いキャラクターの
ぬいぐるみ。
女の子の部屋だ。
でも、
部屋の外から大きい足音が
聞こえてくる。
この部屋に誰かがくる?
僕が部屋の入口のドア見ていると。
あんなにきびきびしていた
彼女の動きがピタリと止まる。
「悪いけど。
もう少しだけベランダにいて。」
───まただ。
彼女には・・・
やっぱり何か影がある。