また恋をした、その時に。



僕はベランダに戻り、
その場にしゃがんだ。

瑞々しく咲いている
パンジーを見つめる。

暗くて、よく見えないけど…

綺麗なんだろうな

太陽に当たっているパンジー…


ふと、外を見る・・・

「…………ぁ。」

   月があった。


この月は─────…



  月の海は何処?

   不思議だな。


…月にいると
見渡せば、海しか見えないほど…

   海は広いのに。



ここからじゃ、見えないんだ。

宇宙って物凄〜く
終わりが見えないほど、
広いんだね。

なんか、此処…落ち着くな。

月が見えるからかな?




バンッ…………

「心美っ!!!」


突然の金切り声に、
僕の体はビクついた。

────怖い、怖いよ。

一瞬にして、
この場所が恐怖に変わる。


 “コ…コ…ミ…?”

  あの子の、名前?



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