また恋をした、その時に。
「ねぇ、どういうつもりなの?
………ありえないんだけど。
あんた………変だよ。」
───エレベーターの中。
狭い空間に彼女の低い声が響き渡る。
ちらっと横目で彼女を見ると、
腕組みをして険しい顔をしていて。
次々と心美ちゃんから吐き出される言葉が
僕の心を貫き、傷つける。
でも、
本当はもっと優しくて
温かい人間なんだ………
って思うんだ。
あの瑞々しいパンジーを
見た時から。
「………ごめん。言い過ぎた。」
短いため息の後、
僕の耳に届く柔らかい声。
ホラ。
イタミを分かってクレルヒト。
必死に頭を左右に振る僕。
「リクだっけ?
さっきは………ありがと。」
「へ?」
「………助けてくれて。」