また恋をした、その時に。
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「目、開けちゃダメだよ?」
風が心地よい───
カラッとはしてないけど
秋のような清々しい風が
頬に当たる。
男の人にしては小さめな背中。
彼の肩をしっかりと掴み、
そのあたたかそうな背中に
腕をくっつける。
───今、リクと
自転車の2人乗りをしている。
なに、この展開は。
「………まだ開けちゃダメ?」
「ダメ。あともう少し。
今日は見えるかな〜?」
自転車は左に曲がる。
すると、大きな国道に出たようで
沢山の車が
行き交う音が聞こえた。
「いいよ。開けても。」
ドキドキドキ・・・・・
目を開けたら
何が待っているんだろう。
心臓の鼓動は更に早くなった。
緊張した面持ちで、ゆっくりとまぶたを上げると───