また恋をした、その時に。



少し上体を起こし
壁につけていた背を離す。
今度は体を右に向け、
彼女をギュッと抱きしめた。

心美ちゃんの体温がじんわりと伝わってきて。

素肌で触れ合うのは
安心感があって心地よいよ──…



「リクが大好きなの…
リクがいないとダメなの…」


「………うん。僕もだよ。心美ちゃんがいないとだめなんだ」


彼女の想いが
痛いほどに伝わってきてね

自分の弱い感情が
溢れないようにと、
口を固く結んだ

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