また恋をした、その時に。



───玄関前

何十秒後には目の前の扉は開かれ
彼の姿を消しながら、
静かに閉まるのだろう


私は
縮こまったその背中に声を掛けた

「リクと出逢えて幸せだったよ?」



次の瞬間、
リクは振り返り私の両肩を
ガシッと掴んだと思ったら


深く、濃く、力強く
キスをしてきて

   「………ッ」


頬を伝う涙が
口の隙間から流れ込み

そのまま2人の涙は
中で混じり合った。


< 321 / 368 >

この作品をシェア

pagetop