また恋をした、その時に。



長いキスの終わりに、
まぶたに落とされた優しいキス。


「本当にありがとう…
これだけは忘れないで、僕の心は
いつまでも心美ちゃんの傍にあるから

じゃ……もう、いくね」

そう言って、また背を向けるリク



これで最後と言い聞かせて、
後ろから腕を回し抱きしめる。


  「サヨナラ…リク」

と、囁いてから
彼の背中をそっと押した。

開かれる玄関の扉。






リクの姿を消しながらそれは閉まっていく───…

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