また恋をした、その時に。
「……………っ」
リクに言いたいことは
沢山あるんだけど
声が詰まって全然言葉が
出てこなくて。
「宇津木今はホームルーム中だ。
席に着きなさい。ほら、ここ。」
柏木はそう言って、
握り拳を作って私の隣の席を
コツコツと叩いた。
「ごめんなさい、先生。
心美ちゃんの隣の席だぁ…」
リクは私の気も知らないで
嬉しそうに声を弾ませ席に着く。
廊下側の一番後ろの私の席。
お気に入りだったのに…
大変な事になりそう。
「宇津木、良かったな。
…遠藤。今日…日直だったよな?
彼と仲良いんだったらさ。
今日…彼と一緒に日直やれ…」
柏山の視線は
私とリクを行ったり来たり。
ニヤニヤしながらそう言いながら
教卓へと足を進める。