また恋をした、その時に。



口に入れた瞬間、可笑しいけど
「うふっ…」って
笑みが零れて。


「どうしたの?」

彼はスプーンをくわえたまま、不思議そうに首を傾げる。



「だって、凄く美味しいんだもん。
こんなの初めて。」


大袈裟かもしれないけど、そう思えたんだ。


もちろん、お母さんのカレーも大好きだけど

今日のは特別に美味しい。



目の前にある顔はパァっと明るくなる。

  「僕もっ!」


リク仕様の甘口カレーライスは、
優しくて…後からジンワリと
辛さも残る…そんな味。


ご飯を食べながら私とリクは
いろいろな話をした。


彼は今日の学校の感想とかを
楽しそうに話す。

「もう、倒れちゃうくらい緊張してたんだけどね?

心美ちゃんを見たら、すっごく嬉しくなっちゃって

緊張なんてどっかにいっちゃった!」

なんてリクは純粋なんだろう…

仮面をかぶりながら学校生活を送っている私とは正反対で。


こういう彼の純粋な所に、
すごく惹かれる……………




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