また恋をした、その時に。





「天のお月様が、おまえをお呼びだ。」

僕から顔を背け、そうに言ったのは
  ───“ヨウ”


彼は、自分とは正反対のうさぎ。

右耳が半分折れ曲がっているのが
ヨウの特徴。


体格も大きくて、
跳べる距離だって

足の浮き出た筋肉を見れば
一目瞭然。

もちろん、僕なんか比べ物にならない。


性格だって、
しっかり者で、行動力があるから
みんなから慕われているんだ。


ああ。同じように生まれてきたはずなのに

どうして、
こんなにも差があるのだろう。

 神様は不公平だ───



「ありがとう。今から行ってみるよ。
………っ!」



次の瞬間。反射的に目を瞑る。

全身が何かで攻撃された。

体がチクチク、痛い。



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