また恋をした、その時に。
「リク、起きて……」
「ん…………」
柔らかい声と体が揺らされれる感覚に目を覚ますと
ソファーの上だった。
目の前には天井じゃなくて、
心美ちゃんの顔。
驚いて俯くとしっかりと
毛布が掛けられていたんだ。
どうりで体がポカポカあたたかい
「もう、こんな時間だけど。
家に帰った方がいいんじゃない?」
心美ちゃんは心配そうな顔で
そう言って、リビングにある掛け時計を見つめる。
僕も同じく時計を見ると
時刻は10時過ぎを指していた。
2時間ほど寝てしまったみたい。
「寝ちゃってごめんね?」
「ううん。全然いいんだけどさ。
家の人心配するでしょ?」
「あ、うん。家は大丈夫なんだ。
でも、心美ちゃんに迷惑かけちゃった…ごめん。
じゃあ、もう帰るね?」
僕は急いで立ち上がる。