また恋をした、その時に。
「おは…よ!心…美ちゃん!」
後ろから
両肩をがっしりと掴まれる。
「ひゃっ………!」
振り返るとそこには
リクのキラキラとした眩しい笑顔があって。
「驚いた?」
「リク………!びっくりしたよ…」
私は咄嗟に、
長い髪の毛を耳にかける。
登校中は髪の毛が乱れていると思って。
乱れた髪をリクに見られるのは
嫌だよ。
「好きだな、
心美ちゃんのその仕草……行こ?」
そう言って彼は私の腕を掴み
どんどん前へ進んでいってしまう
「はい?」
正門をくぐると
桜の木が校舎内へ導くように
立ち並んでいる。
朝のこの時間は
登校する生徒の波で溢れていて。
私達の横を通り過ぎて行く生徒に
横目でチラチラ見られながら
昇降口へと進んでいった。