また恋をした、その時に。
結局、リクに腕を掴まれながら
一緒に教室に入る。
その瞬間、
教室中の痛い視線が私達に降り注ぎ、私の体は固まった。
私を見てヒソヒソ何か話している。
───こういうのが嫌
言いたい事があれば言えっての。
さっきまであんなに軽かった心が
一気に重くなった。
「宇津木君………ちょっといい?」
そう言いながら
このクラスの女子のリーダー的な存在の皐月がリクを手招きする。
彼女の回りには、数人の女子がいて。
「えっと……さ、さつきちゃん!おはよう!」
リクは嬉しそうに小走りをし、
彼女がいる教卓の前に向かった
私はその様子を目で追っていると
ヒカリが話しかけてきて。
「心美!おはよ。
ねぇ、なんか噂になってる。
昨日の夜中、心美のマンションから彼が出てきたのを皐月が見たって。」
ヒカリの言葉にドクンと心臓が反応する。
「……え」
「本当なの?」