また恋をした、その時に。
「いいのっ!?行く〜」
リクの嬉しそうな高い声に、
私の心は一瞬にして凍りついた。
彼は
彼女の腕にぎゅっと抱きつく。
「うん!あとね、心……」
「ね、陸って呼んでいい?」
私の時と同じように…………
腕を絡めていたんだ。
私の心は
鋭い刃物で切り裂かれたみたいに
バラバラになっていって…
私の事なんてちっとも恋愛対象じゃなくて、
私の家に来たのも同情だった?
『僕がいるから。
もう、1人で泣かないで?』
心に響いたこのこの言葉も…
リクは
簡単に他の人にも言えるの?
そう思うと悲しくなって、
本当に悲しくて。
─────涙が溢れてくる
「心美………!?」