また恋をした、その時に。
6、【リク】 弱虫な僕
───教室を去っていく
心美ちゃんの横顔。
辛そうにに顔を歪め、
ふわふわした長い髪の毛が
頬に張り付いている。
…………泣いてるの?
彼女の去り行くその姿を
見つめている時。
「遠藤………」
僕の耳に届いた低い声。
小日向君だ………
彼は
僕の前をスッと通り過ぎると
廊下へと出て行き、右に曲がる。
遠藤って……
心美ちゃんの事だよね…
どうしようもなく気になって
小日向君の後を追いかけずには、
いられなかったんだ。