また恋をした、その時に。



□□□


  深呼吸をする僕。

目の前にある
直径15センチほどの
平たい月の石に前足をのせる。

………やっぱり、コレに触れると神聖な気持ちになる。

自然と心が落ち着く。



───この石が天のお月様。


「リク………よく来てくれました。」

ゆっくりとしたトーンの
柔らかくて、優しい声が
僕の耳に届いた。


「天のお月様…………」



「君を呼び出した理由はね……」

重い口調の言葉に、
緊張感が一気に高まる…


「な…何でしょうか………」

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