また恋をした、その時に。
悔しさで、目の前が滲む。
制服のズボンを
ぎゅっと力強く握った。
「ったく…お前、何してんだよ
…男だろ?ほら、立て。」
小日向君の大きな手が
僕に差し出される。
その手をぎゅと握った。
「ありがとう………
ねぇ、僕の事怒ってないの?」
「めちゃくちゃ怒ってるよ…」
「小日向君…心美ちゃんの事…」
「次の体育遅れるぞ。」
僕の言葉を低い声で遮って、彼は歩き出す。
目の前の大きな背中を
僕は追いかけた───…