また恋をした、その時に。
───体育の授業は
男女共にバレーボール。
体育館シューズが
キュキュッと音を響かせ
床にボールがつく音も響いている
みんながレシーブ練習している最中、
僕は
複雑な想いで隣のコートを見ていた。
もうすぐ自分の順番ということも忘れて。
傷つけちゃった、心美ちゃんを
僕の心は時間が経つほどに締め付けられ、
彼女を見る度に悲しくなる。
隣のコートに人が集まってきて。
あ、女子の試合が始まるみたい…
“心美ちゃんもいる…”
そして、
先生の笛が鳴って、女子の試合が始まった。
心美ちゃんがいるチームがサーブを受ける。
緩やかなサーブ。
右の前衛にいる子がレシーブしたボールはセッターの心美ちゃんへ。
そして彼女の手から放たれたボールは
美しく円を描くようにして
高く上がった。
その光景に僕は心を奪われていたんだ。