また恋をした、その時に。




   「宇津木っ!!!」
体育館に響き渡る、先生の声に
僕はハッとする。



あ。
…………今体育の授業中だった。


体育の先生は、当然のように

額と眉間に深いシワを刻み込ませ
恐い顔をしている。



周りからはくすくすと笑い声。



「授業中にどこ見ている!」


「ご…ごめんなさい。」



「気合いが足りてねぇんだ、今から外周3週してこい!」


先生がビシッと体育館の入口を指差す。


「は、はい…」


「早く!」

僕は小走りで外へと出た。

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