また恋をした、その時に。
1周2キロの外周を3週もする。
体力がない僕にとっては地獄だ。
きっとすぐにヘタばっちゃう…
正門を出て学校の周りを走っていくと体育館の裏を通りすぎる、そしてまた正門へと戻る。
───2周目の体育館の裏を通った時。
「あと、2周!」
「は、はい……」
先生の大きな声。
外周コースに面している体育館のドアは全開に開いている。
それと。
心美ちゃんの視線を感じたんだ…
目が合うと、彼女の強い眼差し。
まるで、『頑張って。』って応援しているようだった。
自分で言うなんて可笑しいし、
本当は応援なんてしていないかもしれないけど。
────強くなりたい。
3周目。
僕はひたすら正門を目指した。
─────僕は変わりたいんだ。