また恋をした、その時に。

7、【心美】 本音





出会った時から…
リクは不思議な魅力で溢れていた

私は吸い込まれるようにして
その神秘的な魅力の虜になった。


無邪気で、素直で…
ガラスみたいな透明な心をもった彼。

本当に真っ直ぐな人───

私はその透明な心を
濁らせてしまったのかもしれない…

これから、濁らせてしまうかもしれない。

私だけに優しい顔を見せて欲しい
なんて思ってるんだから───



朝、小日向と話している時

リクの事…「嫌い」だなんて
言葉出てた。


だってさ、
私にとっては特別な事だったんだよ?

リクに触れてもらったり、

家で一緒にご飯食べた事も。

私にとって本当にあたたかくて
孤独じゃなかった時間───

  本当に特別だった。

それなのに、

それなのに─────

私は机の上に顔を伏せたまま、今までの事を振り返る。



でもね、
悔しくて、恥ずかしいけど。

こんな時でも
好きな所が1つずつ増えていく。


何事にも一生懸命な所とか。
コートの外に飛んでいった
ボールを追うその姿。

どんどん、リクが私の心の中に入っていく…


< 98 / 368 >

この作品をシェア

pagetop