僕の大好きなお姉ちゃん



でも、利翔も男だし……。
奈々は?

なんなの?



俺の頭の中は、「?」で埋め尽くされていた。



「…それ、ほんとなのか?
つか、どこで見たんだよ…?」

とりあえず、たくさんの疑問の中から、初めに思いついた二つを聞く。


すると由実夏は、考える様子もなく、即座に、
「屋上よ」
と言った。


そして、続けて、
「夏川くんが、奈々の上に馬乗りになる感じの体勢で…」
と説明した。


生々しすぎる説明に、思わず意識が遠のきそうになった。
なのに、それだけじゃなかった。


「ほら、見て」
そう言って、由実夏が差し出したケータイの画面には、説明通りの利翔と奈々が映っていた―。



息が止まりそうになった。
うまく呼吸ができない。



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