僕の大好きなお姉ちゃん



胸に突き刺さる、悲しくて切ない言葉だった。



いままでは、兄弟と言っても血が繋がってないから、どことなく平気な気がしてた。
奈々と結婚するんだ、って、隠れて本気で思ってた。



けど――…。
実際、どうなんだよ。無理じゃねえか…。

俺らは戸籍上でもう、”兄弟”なんだ―…。







「…………ねえ、相沢?
…あたし、辛い思いさせないよ?


―――ほんとは、ずっとずっと見てたの。


はじめは、水崎愛瑠を見てた。
咲良《サクラ》の彼氏奪った事、ずっと許せなくて―…。


でも次第に、水崎がよく絡んでる男子に目が行くようになった…。
あ、あの人だ、って。


”クール王子”…相沢彼方だ、って。


あの時屋上に連れ出したのも、ほんとは相沢と話してみたかったからなの…。
咲良の事持ち出して、ずるいかもしれないけど、話したかった。



廊下をすれ違うたびにドキドキして、勝手に”彼方”って呟くだけて頬真っ赤にして…。


変態っぽいけど、そうなの。
もう、この気持ち…どうしようもなくて―。




お願いだよ…。

あたしと……つき合って下さい」



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