僕の大好きなお姉ちゃん
「…………利翔…………?」
抱き合いながらも、私は少し上を向く。
「俺…………
絶対に泣かせないから。
奈々のこと、泣かせたりしないから……。
…いまの奈々を見てるのが辛いんだ。
彼方のことで、こんなに苦しんで…泣いてて。
魂が抜けてるみたいだよ。
話しかけても上の空ってことも多いし…。
授業中も、受験控えてるのに窓の外ばっか見てるし…。
奈々のことが好きって言うの、昔っから変わんないけど…。
絶対に叶わないから、しまってたんだ。
誰にも言わずに隠してた。
けど…………
もう、無理だよ。
我慢できねえよ…………」