僕の大好きなお姉ちゃん
門をくぐるとすぐ庭で、
白い柴犬のユキが飛び跳ねて私を迎えてくれた。
「ちょ…ユッキー…くすぐったいよ~」
顔をペロペロ舐められ、すごくくすぐったい。
でも、これも変わらないなあ…。
わたしがおばあちゃんちにくるたびに、まずユッキーが迎えてくれる。
懐かしさに頬が緩んで、自然と笑みがこぼれる。
「……………あれ?」
突然声がして、少し驚く。
その聞き覚えのある声に振り向くと、いとこの奏《カナデ》が立っていた――。