僕の大好きなお姉ちゃん
”利翔、やめて!”
その言葉は、言ってはいけない気がした。
きっと彼方は、それを思って抵抗しないんだ……。
「知ってたよ…………。
奈々の目線の先を辿ると、いつも彼方だった……。
自分では気づいてなかったかもしれないけど………
奈々はいつだって、俺じゃなくて、彼方を見てたよ―――。
…………でも、それでもっ
いつかは………振り向かせられるんじゃないか、って…………。
頑張ってた………・・。
それもやっぱ、無駄だったよ!!
無理だったよ!!
お前には勝てねえんだよ………。
俺がどれだけ頑張っても…………
奈々はお前しか目に入らないんだよっ!!!!!!」