僕の大好きなお姉ちゃん




「同じく、奈々ちゃんも彼方くんの”何か”に惚れたわけだ。
彼方くんにしか、ないもの。


それをたまたま、利翔は持ち合わせてなかった。



――――――だから、さ。
利翔の”何か”に惚れる女の子も、
この先もいまでも、きっと……いや、絶対に、いるから。


そんで、利翔が心の底から大好きだ、って思える子も絶対に、いる。
このあと、人生(さき)は長いよ?





今は、奈々ちゃんを好きでいていいと思うよ。
だって、利翔の奈々ちゃんに対する思いは、スパッとあきらめられるような…そんな簡単な気持ちじゃないでしょ?」





奈々に対する想いは……。
ずっとずっと、心の中で温めてきた…大切な気持ち。


ちょっとやそっとじゃ壊れない。
フラれたからってあきらめられるような想いじゃない。




「うん……・・っ」





< 291 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop