僕の大好きなお姉ちゃん
「それで、よく彼方といるようになったんだ。
そしたら、いつも彼方がどっかを見てて……
その目線の先には、いつも同じ女の子がいた。
それが…………奈々。
はじめは、奈々と彼方がキョウダイって知らなかったんだ。
だから、軽い気持ちで”あの子のこと好きなの?”って聞いたら、
彼方が顔真っ赤にして”ばっちげーよっ”って言うから……すげえ驚いた。
彼方が、こんな表情(かお)すんだな、って思って。
新鮮だった。
それから、俺自身もよく奈々のこと見るようになって……。
奈々のいろんな表情を見た。
奈々って…ほんと、コロッコロ表情かわんだよ。
それが見てて飽きないっていうか……。
こっちも自然と笑顔になる、的な感じで……」