切なさの距離~友達以上、恋人未満~
花火【Hinata】
「「納涼祭りぃ?!」」
そう叫んだのはあたしと湯川だ。
「そう!納涼!
毎年あるでしょ?花火大会。
あれに夢大とあたしと日向、それに貴斗も一緒に行こうよって言ってるワケ」
これを言ったのはアキ。
それはもう夏休みが目の前に迫ってきたある日のことだった。
アキは教室に入ってくるなりあたしと湯川の前に立ち、言ったのだ。
「納涼祭りに一緒に行こう!」
って。
「2人で行けばいいじゃんか」
そうあたしが言うのにはもちろん、理由がある。
それは去年の納涼祭りのこと。
2人はあたしを祭りに誘った。
もちろん、最初は断った。
せっかくの花火だもん。
2人で見た方がいいでしょ?
でもなぜか2人はしつこいくらいに誘ってきて。
最終的に首を縦に振った。