切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「あ、先生」
テストが終わり、目の前にいた担任に声をかける。
「あ、おう!湯川
学校に慣れたか??」
振り向いた担任はニカッと笑う。
「あー、まあまあってところですかね。
ところで、今日から部活、参加していいっすか?」
「やれ、やれ!最近、気の抜けてるアイツらに刺激与えてやってくれよ!」
ちなみにうちの担任は陸上部の顧問。
俺が長距離選手っていうのは知ってる。
「じゃあ今日から参加させてもらいます」
頑張れよ!と、言った担任は職員室へ行った。
あ…そう言えば部室ってどこだ?
「あ…おい、湧井日向」
たまたま目の前を通り過ぎた湧井日向を呼び止める。
声をかけられたことに驚いたようで。
しばらく立ち止まって目をパチクリ。
「おい?大丈夫か?」
「…あ、うん」
意識を取り戻した湧井日向。
「悪いんだけど連れてってくれない?
陸上部の部室まで」