切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「……林っ!」
適当に走っていると裕実より先に林を見つけた。
声をかけると当たり前のように睨まれる。
「何で裕実じゃない女の子と花火に来てるのよ!」
林は叫ぶ。
「いや…2人で来たんじゃ…「あたしに言い訳してどうすんの!」
俺の言葉を聞かず、林は怒鳴る。
「裕実…見失っちゃったじゃん。
ただでさえ最近元気なかったのに、これでまた…」
はぁ…と、溜め息をつく林。
「裕実…元気なかったのか?」
「え?知らなかったの?」
元気ないなんて気づいてなかった…
「とりあえず、探した方がいいって!
裕実、誰かに襲われかねないよ?」
林に言われ、俺はまた走り出す。
裕実がもし、誰かに襲われてたら俺はどう責任を取ればいいんだろう。
日向みたいにギリギリで止められるとは限らないんだ。
動かす足を速める。
裕実…頼むから無事でいてくれよ…