切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「え…?
ちょ…湯川?」
今、そんなヒドイこと言っちゃった?
考えてみるけどいつも言ってるようなことで、決して泣かれるようなことを言ったワケじゃない。
「…悪い。
明日は部活行くから」
湯川はそう言って走って行ってしまった。
追いかけることもできた。
けどあえてそれをしなかったのは…どうしてだろう。
自分でもよく分からない。
ただ、追いかけちゃいけない気がした。
あたしは歩いて学校に戻る。
「おい!そこのサボり!
片付けしろよー!」
戻ると夢大に怒られた。
もちろん、アキにも。
2人に湯川のことは言わなかった。
きっと、言っちゃいけない。
言わないほうがいいことだから。