切なさの距離~友達以上、恋人未満~
第3章
練習【Takato】
裕実と別れてから10日が経った。
「日向!行くぞ!!」
「了解!!」
もう裕実を思い出さないと言えばウソになる。
でも
「早くしろよ~!おいてくぞ、日向」
コイツのおかげであまり思い出さなくてすんでいる。
やっぱり裕実のことを思い出すと胸が苦しくなる。
ただ、日向がいると思い出す暇もないくらい楽しくて。
いつも笑っている俺がいる。
前にアキに言われた。
「貴斗って日向といるときはよく笑うよね。普段は無愛想なのに」
って。
自分じゃ特に意識してなかったが言われてみればそんな気がする。
どうしてだろう。
俺自身もよく分からない。