切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「湯川ぁ!何ぼーっとしてるの?」
知らない間に日向に抜かされていた。
慌てて追いかける。
今から外周10周だ。
日向と2人で。
と、いうか俺と日向についてこれる部員がいないのだ。
「あと4日後だよ」
軽く走りながら日向が呟く。
「4日後か…早いな」
4日後
大会が行われる。
これでいい成績を残さなければ引退だ。
俺も日向も負けられない大会。
いつもに増して気合いが入ってるのはそのせい。
「あたしは1位通過するから。」
日向はそう言ってニヤッと笑う。
「じゃあ俺も。1位になれなかったらジュースおごれよ」
「上等だよ」
そんなことを言いながら2人で笑い合った。