切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「お疲れ」
「走り足りないね」
日向はそう言ってニヤッと笑った。
あのあと、余裕でラスト1周をしてもちろん優勝した日向。
「次は湯川だよ。
約束通り1位で。」
「任せとけ」
そう言って日向とハイタッチする。
ってなんで俺、こんなに日向と仲いいんだろう。
知らないうちにいつも一緒にいる気がする。
「じゃ、行ってくるわ」
頑張って!と日向の声を背中にうけ、スタートラインに立った。
市が違うだけに他のメンバーがどれくらいの実力なのかを俺は知らない。
ま、俺は自分の力を発揮するだけだけど。
徐々に緊張感が高まってきた。
なぜかいつもより緊張してる俺。
そんなことを考えて自分で笑ってしまった。
「よーい」
その声が聞こえて気を引き締める。
【パンッ】