切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「ヒュー!!
ラブラブじゃんかー!!」
そこへやってきたのはアキだ。
夢大は…?
と、思ったら競技の真っ最中だった。
「あんたら仲良すぎでしょ~!」
アキのテンションはなぜかいつもより高い。
ちょっと引き気味のあたし。
「いいの?夢大応援しなくて」
そう聞くと腕を組むアキ。
「大丈夫だよ。
あたしが応援しなくても夢大は勝つから」
その自信はいったいどこから来るんだろうか。
「でさ、貴斗と順調なワケ?」
この質問を当たり前のように無視するあたし。
アキに構ってたらキリがない。
「頭に手ぇなんて乗っけられちゃってさ。
そんなのラブラブ以外の何ものでもないでしょ?」
さっきのことを思い出して顔が赤くなるのを感じた。
あたしは頬に手を当て、赤くなった場所を隠す。
「そんなんじゃないってば。
ほら、アキもそろそろアップしないと始まるよ?」
ホントだ!と言って立ち上がったアキは同じ競技の子を誘ってアップをしにいった。
なんだったんだろう、今の嵐のようなアキのテンションは。