切なさの距離~友達以上、恋人未満~





あれから大会は無事に終わり、アキも県大会に行くことになった。


4人揃って全国に行けたりするのかな。

そんな夢を見たりして。


あたしたち以外の3年生は惜しくもみんな、負けてしまった。



「湧井、湯川、細田、増川

全国へ行くんだ!って気合は大事だけど、でも忘れないでほしい。


お前らはお前ららしく競技に励め。

そうすれば結果は必ずついてくる。」


そんな顧問の山ちゃんの言葉を思い出す。


なぜかそのときの山ちゃんの顔を思い出すと熱い何かが込み上げてくる。


嬉しそうだけど、でもどこか悲しそうな顔。

それを山ちゃんはしていたんだ。



何か…あったのかな。

ずっとそれを考えていた。




「おい?日向?」


ふと我に返り顔を上げる。


あ、そう言えばもう公園にいたんだっけ、あたし。

考え事してて忘れてた。



「大丈夫か?なんか意識なかったみたいだけど。」


大丈夫、大丈夫と言いながら立ち上がる。

でもなぜか足下がふらついた。





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