切なさの距離~友達以上、恋人未満~





「日向、今日はやめとくか」


立ち上がったあたしをよそに湯川はベンチに座った。




「いや、いいよ。

やろうよ。


もう県大まで時間ないしさ。」


そう言っても湯川は立ち上がろうとしない。




「日向。

無理すんなよ。


今日、疲れたろ。

俺も疲れたし。


だから歩くだけにしよう」



「……………分かった」


仕方なく頷く。


そうすると湯川は立ち上がる。



「ごめん…あたしのせいで今日、練習できないよね」


バーカと頭の上から声が降ってくる。



「俺も疲れた、って言ったろ。

謝ることねぇーよ」


な?と微笑まれあたしは心の中で呟く。



こんなの…湯川じゃない。




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