切なさの距離~友達以上、恋人未満~





「いや…その…」


言いにくい。

本人に面と向かってあんなことを言うのは。




「はっきり言えよ」

そう目で脅され仕方なく話す。



「あの…前もキャラの話したじゃないですか。

で、湯川が微笑むとか、人のこと心配して優しい言葉かけるとかすっごい似合わないワケですよ。


だからこんなの湯川じゃないって…」


段々と湯川の顔が歪んでいくのが分かって最後まで言うのをやめた。



「ってかなんで敬語?」


「いや…なんとなく?」


湯川が怖かったから、というのは口が裂けても言わない。




「まあいいけど。

何?俺に笑顔とか優しさが似合わないってことだろ?


簡潔に言えば。」



「はぁ…まあ…そうなります…よね~…」


まだ敬語が抜ききれない。


チラッと横目で湯川を見るとたまたま目が合い、急いで視線を逸らす。


なんか…っ!

なんか分かんないけど、目が合った瞬間、

ドキッ!ってしちゃったし…





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