切なさの距離~友達以上、恋人未満~
動揺【Takato】
何…言ってんだ?
コイツ。
転びそうになったかと思えば
「ファーストキス、いつ?」
って。
思わず日向の顔を凝視してしまった。
「あんまり見ないでよ!
あたしの顔に穴開ける気?!」
と、日向に怒られ凝視するのをやめた。
でもそれくらい驚いたから。
「いつ…だったっけ…」
思い出したくない。
でも、すぐに記憶は甦る。
あれは裕実と付き合い始めて3ヶ月経った日のことだった。
別に焦ってたワケじゃない。
流れ…と、いうか雰囲気で初々しいキスをした。
そのあとのなんとも言えない空気を俺はまだ、忘れられずにいる。
「湯川?
イヤなこと、思い出させちゃった?
その…ごめん、ね?」
日向は申し訳なさそうな目で俺を見つめ言った。