切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「日向」
「ん?」
俺の方を見た日向をガン見。
日向はキョトン顔で俺を見ている。
「…………はぁ」
やっぱ、違うわ。
だって今、全然ドキドキしなかったし。
「え?え?え?
なんなの?今の溜め息は!」
なぜかキレる日向。
はぁ?
今、キレるポイントあったか?
やっぱ、分かんねぇーよ。
「湯川!
明日、部活は休みだけど自主練しよ!
今日の分、取り返さないと!」
さっきキレていた日向の機嫌はなぜかもう直っている。
なんだよ、それ。
「言われなくてもそのつもりだったけど?」
当たり前だろ。
誰が素直に練習やらず休養すると思ってんだ。
「じゃ、明日10時にここ集合!
明日のあたしは最高に元気だから覚悟してよ!」
日向はそう言って家の方向へ歩いて行った。
なんだよ?
明日のあたしは最高に元気、って。
そんな日本語、初めて聞いた。