切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「さて、と」
湯川はそう呟いて立ち上がる。
「そろそろ行ってくるわ」
アキと夢大それにあたしとハイタッチを交わし、走って行く。
これから長距離男子の部が行われる。
「あたし、思ったんだけど」
湯川を見送ったあとアキが言う。
「日向も貴斗もますます速くなってるよね?
さっきのランニングのスピードに全然ついていけなかった」
さっきのランニングとは4人で集まって体をほぐすために1キロくらい走ったのだ。
「俺も無理だった。
2人についていこうとしても引き離されるばっかりでさ。
なのに日向も貴斗も笑顔で話しながら走ってんだもん。
俺、ビックリしたわ。
お前ら夏休みでどんだけ練習したんだよ?」
んー…と声をもらす。
簡単に説明しよう。
「課題が3分の1もできてないくらい練習した」