切なさの距離~友達以上、恋人未満~
その夢大の言葉はあたしの闘志にいっきに火をつけた。
そうじゃん。
推薦って手があるじゃん。
何がなんでも入賞するんだ。
あたしの頭じゃ一般入試で高校受かるかどうか定かじゃない。
だったらもう推薦しかないんだ。
「ちょっと走ってくる」
気合いを入れ、行こうとすると服をアキに掴まれた。
「日向なら県大突破なんて余裕でしょ。
今さら何疲れるようなことやろうとしてんのよ。
それにもうスタートするよ、貴斗」
でも…と、言いかけると今度は夢大が口を開く。
「きっと、貴斗は日向に見て欲しいと思うよ」
「え?なんで?」
と聞くとアキに睨まれた。
え…
どうして睨まれてるの?あたし。
分かんないこと聞いただけなのに…